自家製粉で自家製天然酵母でパンを作っているパン屋さんが智頭町にあると
患者さんから聞いて、ネット検索していたら、
「腐る経済」というタイトルで本を出版されたパン屋さんでした。
格さんと真理さんの名前から「タルマーリー」と名付けたパン屋さん、
とても個性的で魅力にあふれています。
まず、お二人の出逢い、インパクトがあると思いました。
真理さんは大学卒の新卒採用にもかかわらず、
格さんは大学の新卒採用ですが30歳になっていたこと。
お二人とも自分の店を持ちたいという共通の夢があったけど、
パン屋と決めたのは、格さんのお爺さんが枕元に立って、
「お前はパンをやれ!!」と言ったこと。
全13冊におよぶマルクスの資本論を読んで、パン屋の経営に活かしたこと。
資本主義とは、利潤(=腐らないお金)を生むために、パンをたくさん売ったり、
原材料費を安くしたり、営業日を増やしたり、労働時間を長くすること。
しかし、腐る経済とは、生命を育む自然に逆らうことなく、自然の生産力を守り、
自然も生産者も豊かに地域の経済を循環する「思い」が込もった経営をすること。
「利潤」を出さないということは、誰からも搾取しない、誰も傷つけないことなので、
店を成り立たせるべく赤字は出さず、収支はトントンで損益分岐点クリアを目指すのが
重要だそうです。
「おカネの使い方こそが、社会をつくる。」
(”田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」”から抜粋)
日々追われる目の前のことだけでなく、周りのことも先のことも考える
きっかけを貰える本なので、おすすめです!!