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心の応急手当!!

すり傷など外傷の手当は、小さな子どもでも絆創膏を貼ることと知っているのに、
心が傷ついた時に、人は、傷口をふさぐための応急処置をしているだろうか?

意外と、どうせ私なんて...とか、更に自分を傷つける言葉を使って、
傷口を広げることをしていないだろうか?

因果応報だと言って、天災による被災でも、別離でも死別でも、何でもかんでも、
自分が悪かったと悲観的になると、心の傷は深まるばかり。。。

そんなとき、「NYの人気セラピストが教える自分で心を手当てする方法」が
役に立つと思います。

本によると、喪失とトラウマの体験は、日常を粉々に打ち砕き、
人間関係を損ない、ときには自分自身のアイデンティティさえ破壊するそうです。

これを修正し立ち直るためには、必ず手順通りに実行するべしとあるので、
以下、3種類を順に紹介します。

1.心の痛みをやわらげる
喪失とトラウマの苦しみに対処する方法を学び、考え方の偏りを修正する。

例えば、できるだけ早く体験したことを語ったり、書いたりして、癒しを得る。
または、無理に語らない、書かないで、経験したことを思い出さずに、
心の整理を自分のペースでする。

どちらの方法を選んでもいいので、自分の気持ちを無視しない。
無理に語らない場合、情報を入れないように、周囲にも頼む。

2.失われた自分を取り戻す
自己のアイデンティティを再構築する方法を学ぶ。

注意として、日常生活に支障がない程度まで気持ちが回復してから、実行する。

自己を再構築するために、以下、a-fの順で行う。

a.自分の性格や特徴、能力の中で自分が気に入っていたもの、あるいは、
他人が高く評価していたものをすべて紙に書きだす。(10個以上)

例えば、まじめ、社交的、前向き、好奇心がある、冒険好き、知的、明るい、
リーダーシップ、アウトドア好き、キャンプのスキルがある、気が利く、
優しい、愛情深い、思いやりがある、話がうまいなど

b.そのリストの中で、以前に比べて弱くなったもの、あるいは、
最近あまり発揮していないと思うものを選ぶ。

例えば、社交的、前向き、好奇心がある、冒険好き、話がうまい、明るい、
リーダーシップ、アウトドア好き、キャンプのスキルがある

c.上記b.で選んだ特徴一つひとつについて、なぜそれが発揮されなくなったか、
文章に書いてみる。

例えば、夫が亡くなり、一人で冒険を楽しむ気にならない。
一緒に分け合えない冒険は、つまらないし、侘しい。

d.上記b.で選んだ特徴一つひとつについて、どうすればもっとそれが発揮できるかを
書いてみる。

誰と一緒にいれば、どこへ行けば、どんな活動をすれば、明るくなるか?

例えば、短時間のハイキングに友達と一緒に出掛ければ、一人で家にいるより、
明るくなれるとか。
亡き夫との約束を守り、冒険に行くとかに固執するのでなく、小さな一歩から始める。

e.そのリストを実行可能な順に並び替える。
気持ちの面で、あるいは、予算や距離の面で、どれが実行しやすいか?

f.実行可能な順に、無理のないように少しずつ、一つずつ自分のペースで実行に移す。
最初は気持ちの抵抗が大きいと思われるので。

3.悲しみから意味をつかみとる
起こってしまったことを理解し、それを自分にとって意味のある経験に変える。

起こった出来事を人生の枠組みの中にうまく配置し、
筋の通った説明を見つけることが、経験した喪失などを「理解」することである。
(平均すると、半年ほどで理解し始める)

つらい出来事の中に少しでもポジティブな面を見つけることが、
経験した喪失などを「肯定」することである。

例えば、つらい場面を繰り返し思い出すときに、その繰り返しから逃れるために、
「どのように」と考えるのを止め、「なぜ」と考える。

「夫は、笑顔で冒険に行く約束をした後で、手術中に亡くなった。」
という場面ばかり思い出していたなら、「なぜ、夫は亡くなったのか?」と問う。
すると、つらい場面を思い出す回数が減る。

さらに、もしこうだったらという仮定を考える。
良い可能性だけでなく、悪い可能性についても、想像してみる。

紙化パソコンを用意して、以下の4つの問いに答えてみる。

a.もしもあの出来事が起こらなかったら、
あなたの人生はどんなふうに違っていたと思うか?

b.もっと悪くなっていた可能性があるとすれば、どんな場合か?

c.もっと悪い事態にならなかったのは、どういうことのおかげか?

d.もっと悪い事態にならなかったことで、自分の人生はどれくらい良くなったか?

次の演習問題に進む前に、少なくとも1日は時間を置きましょう。

喪失やトラウマ体験から、学べる教訓や、今後に生かせる何かを見つけることで、
自分のやるべきことが分かり、人生に確かな手ごたえが生まれるそうです。
頭で分かっただけでは、十分に効果を実感できないので、現実の行動に移し、
人生をより豊かに身体で感じましょう。

また、リラックスできる環境でたっぷりと時間を確保し、10年後の自分を想像します。
世界に対する信頼感を取り戻すため、自由に想像して、以下6つの空欄を埋めます。

e.10年前には、あんな悲しいできごとが(   )に繋がるとは想像もできなかった。

f.自分がやってきたことは、とても大切なことだと思う。なせなら、(    )。

g.現在の道を選んだきっかけは、(    )

h.こうしてうまくいったのは、人生の優先順位を(   )というふうに変えたから。

i.優先順位を変えたおかげで、次のような変化が起こった。(    )

j.そして自分の人生の目的が(    )であることに気づいた。

かなり長くなってしまいましたが、最近の長雨で被災された方々に、
心の健康を取り戻す正しい方法として、役立てていただけたらと思っています。

以下をクリックすると、上記本の著者、ガイ・ウィンチ(精神科医)の
動画サイトにジャンプします。
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/pastprogram/161208.html

以下は、上記動画のテキストのみを記載したサイトです。参考まで。
http://blog.livedoor.jp/juntukada/archives/5147235.html

身体の不健康だけでなく、心の不健康にも手当てを、おすすめです!